医療改革局長も兼務

【ワシントン及川正也】オバマ次期米大統領は１１日の記者会見で、次期厚生長官にトム・ダシュル前民主党上院院内総務（６１）を起用すると正式発表した。ホワイトハウスに新設する医療制度改革局長も兼務する。約４５００万人の無保険者を抱える現状制度の抜本改革に向け、ホワイトハウス主導を示す狙いがある。オバマ氏は「医療保険改革は経済再生プランの一部だ。緊急事態であり、先延ばしは許されない」と強調した。医療保険改革はヒラリー・クリントン上院議員がファーストレディー時代に手掛け、議会の抵抗で挫折した経過がある。オバマ氏は「ダシュル氏は医療保険に精通し、議会対策にもたけている」と評価した。

　オバマ氏は国民皆保険制度導入には慎重だが、連邦政府主導の新たな制度創設を目指している。ダシュル氏は連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のような独立機関を創設し、保険制度を監視する構想を示している。

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　■人物略歴

　◇トム・ダシュル氏
　サウスダコタ州立大卒。空軍勤務後、７９年から下院議員４期、８７年上院議員３期（いずれも同州選出）。９５年から０５年まで民主党上院トップの院内総務。０８年大統領選でオバマ陣営共同議長。６１歳。

毎日新聞　2008年12月12日　東京夕刊

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